発根管理

塊根植物初心者がベアルートミニパキプスの発根管理に挑戦した結果

塊根植物の王様と言われているキングオブキング「オペルクリカリア・パキプス」

みんなあこがれる存在ですよね~

ゴツゴツででっぷりとした幹と、それに反するような可愛らしい小さい葉っぱのギャップが何とも言えない魅力を醸し出してますよね。

さらにCITESⅡに指定されている絶滅の恐れがある希少植物。

塊根植物の王様と呼ばれるのも納得です。

そして、見た目が王様な分、金額も王様です。

発根済のパキプスで15万円~、ベアルートでも安くて3万円~が現在(2022年)の相場ですね。

そんなパキプスの発根管理をついにやっちゃいますよ〜!

塊根植物初心者の私がッ!

誰でも最初は初心者だし、やってみなきゃわからんし初心者から脱せられないってことで!

オペルクリカリア・パキプスは発根率がとにかく低い

オペルクリカリア・パキプスの発根率は20%ほどだと言われています。

5本発根管理しても1本成功するかどうかといった確率です。

なぜそんなにも発根しないかというと、輸入されるまで時間がかかるためです。

パキプスの原産地はマダガスカルのトゥリアラという地域です。

現地マダガスカルで引っこ抜かれたパキプスは、根っこを切られ、葉を落とされ、輸出数量が確保できるまで保管されます。

輸出数量が確保できたらいよいよ日本への輸送になりますが、CITESの取得や植物検疫があり、日本に到着するまでには膨大な時間を要します。

なので、日本に来るまでにすでに息絶えているパキプスも多くあることでしょう。

そこから販売者さんを経てあなたのもとへ来るわけです。

販売者さんからあなたの手元に来るまでは1日2日かもしれませんが、その前に1、2ヵ月経過しているかもしれませんよね。

さらに、パキプスは灌木(かんぼく)系の中でも発根しにくいとも言われています。

なので、ベアルートパキプスを発根させるのは至難の業なんです。

ただ、現在は輸送方法が確立されたのか、鮮度が保たれた状態の株も多く日本に入ってきていることから、私たち消費者ができることは「いい販売業者さん選び」に尽きます。

InstagramのDM販売で購入

販売者さんの評判に関わる部分になりますので具体的な名前は伏せますが、実店舗もあるそれなりの規模の塊根植物屋さんから購入しました。

2021年12月31日のことです。

23時からストーリーで株の状態を動画で流してくれて、そこからは早いもの勝ちで購入者が決まっていくシステムでした。

私はまったくの初心者ですので、株の形状よりも価格の部分で選びました。

まぁ、株も小ぶりでちょうどいいなと。

ベアルートパキプスにしてはかなーり安く、植物を知らない人からしたらこんなのでそんな金額するの!?というような価格でした。(わかりにくい)

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パキプス到着!開封の儀!

12/31に購入して、1/2に到着しました。

真冬の配達になりますので一抹の不安があったのですが、案の定、不安は的中!

株はキンキンに冷えてやがりました。

ダンボール+緩衝材代わりの新聞紙ではそんなものでしょう。

装着した株が下写真になります。

こんな感じでした。

主根は長めで硫黄が付着した状態ですね。

ベアルートパキプスの株の状態は…

ところどころにグリーンの表皮が見えています。

見た目以上に重量感もあり、生きてるような雰囲気がありました。

ただ、元からあった枝はほとんど枯れているような状態で、素人の私が見た感じでは中の下の状態と判断しました。

ここから生かすことはできるのか!?

ぬるま湯でベンレート漬け1.5時間

もともと株に付着してた殺菌剤の硫黄をできる限りきれいに流し落としたあと、ぬるま湯にベンレートを溶かした溶液で株全体を漬けました。

容器が小さくて上の写真のような状態になってしまいましたので、ベンレート溶液を染み込ませたキッチンペーパーで株を覆いました。

ベンレートは2000倍で使用しました。(水1Lに対してベンレート1袋で2000倍)

私が使用したベンレートは下記のものです。個包装になっていて10袋入っているので少量使う人は使いやすいと思います。

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漬け込んだ時間は1.5時間。

結構長い時間漬ける方もいるようですが、浸し過ぎも悪影響かなと思いとりあえずこんなもんで様子見です。

枯れ枝の処理&主根カット

主根をカットしてみると特に腐りが入っている様子もなかったので一安心。

オキシベロン漬け約18時間

ここからは温室内での作業になります。

うちの温室はスチールラックに断熱シートを巻きつけたようなかなりチープなものです。

そこに200Wのパネルヒーターを入れて温度を上げます。

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このパキプスの発根管理のためだけに作りましたw

そしたらオキシベロンを40倍に希釈したぬるま湯に漬け込みます。

ここでは、株全体ではなく主根部分のみ漬け込みました。

約18時間漬け込みました。

24時間程度漬け込む方もいらっしゃるようですが、株の元々の成分も抜けてしまいそうだな、と思ったので少し短めに設定しました。

1/3 オキシベロン漬け終了

オキシベロン漬けが終了したパキプスの主根が上写真です。

どことなくモゾモゾしているような気がします。たぶん気がするだけ、です。

ネットの知識から、パキプスの発根パターンは根の周りに「カルス」を形成してそこから根が出るとのことなので、これがそのカルスとやらかなとちょっと期待しています。

ルートン塗布→用土への植え込み

次は、オキシベロン風呂から上がったパキプスにルートンを塗布しました。

主根周りに薄めにササッとルートンを塗りました。

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そしたらいよいよ用土への植え込みです。

発根管理をすうる上で迷うのが水耕か土耕かなんですが、今回は比較的情報が多かった土耕で試してみることにしました。

用土は、サボテンや塊根植物用の用土を展開しているVIIIXAGONO(エクサゴノ)の小粒を使いました。

ただ、この発根管理以外でも使っていたせいで用土が足りなくなってしまったので、底砂とミリオンAを足してかさ増ししました。

写真に見えている緩衝材は株固定用です。

温室内の温度も重要ですが、鉢内温度が非常に重要とのことなので温度計も用意しました。

なんとか形になったかな。

パキプス発根管理環境

【簡易温室内管理】

温度:30〜35℃

鉢内温度:30℃程度(シートヒーターを使って下から温め)

湿度:70%以上狙いだがあまり上がらない(最低40%になるときも)

パキプスの発根管理をしている方の見様見真似で、とりあえず環境を整えてみました。

ここからは日々の管理の中で改善していくスタイルで行きたいと思います。

これだけあれば発根名人!?発根管理に必要なアイテムまとめこれから発根管理に挑戦しようとしているあなたに必要なアイテムを紹介します。 パキプス、パキポディウム、アガベ・・・どんな植物の発根...

パキプス発根管理3日目

※株が到着した1/2を発根管理1日目としています。

【発根管理環境】

  • 温度 24〜29℃
  • 湿度 40%程度
  • 鉢内温度 30℃
  • ライトは安い植物育成用LEDを使用

温度を上げると湿度が下がってしまい、なかなか苦戦しています。

なので対策としてビニール袋を被せて保湿を試みました。

また、温室内に空気の流れがなかったのでPC用のファンを購入しました。

それと、鉢内温度ももっと上げたかったのでカメラ用レンズヒーターを合わせて購入しました。

カメラ用レンズヒーターが鉢内温度を上げるのに適していると聞いたので実践してみます。

株の状態は変化なしです。

ただ、株の一部に穴?のような凹部分があり気になったのでベンレートを直接塗布しました。

株の内側から腐っていくのを予防できたら、という意図です。

パキプス発根管理4日目

やはり湿度を上げるのが難しいです。

ペットボトル卓上加湿器を入れてみたのですが、500mlの水が半日程度で終わってしまい、私が帰宅してくることには湿度エラー(低すぎ?)になっています。

なので暫定対策で濡らしたタオルも吊り下げることにしました。

レンズヒーターがいい感じで鉢内温度を40℃近くまで加温することができました。

設定MAXだと50℃くらいまで上がりそうなのでそこは注意ですね。

株の状態はまだ大丈夫そうに見えます。

表皮は緑色が見えていて生きてそうな枝はしなります。

腐るのが先か、芽吹くのが先か・・・

それと、このタイミングで水にエアレーションを入れました。ミリオンAも入れて水質改善を図ります。

水換えは1日1回行っています。

パキプス発根管理5日目

  • 温度 30℃
  • 湿度 70%程度
  • 鉢内温度 38℃
  • ライトは安い植物育成用LEDを使用

タオル効果か湿度は上がるようになりました。

ただ、私が仕事から帰宅後には湿度が30%程度になってしまっていますので、維持が難しい状況です。

また、なるべく鉢を動かさないように注意して水換えを行っています。

株の状態は良くも悪くも変化なしです。

パキプス発根管理6日目

あいかわらず株の変化なしです。

温室環境は安定してきました。

パキプス発根管理7日目

発根管理を開始して1周間が経過しました。

残念ながら今のところ芽吹きなしです。

株はまだ表皮に緑があるような状態を保っています。

パキプス発根管理9日目

枯れていそうな枝を剪定して、剪定した箇所にはトップジンを塗布して菌防止&株の水分蒸発を防いでみます。

表皮はまだ緑色がありますがどうでしょう。

せめて芽吹きの兆候でもあるとモチベーションが上がるんですが・・・

パキプス発根管理13日目

まだ株の表皮は緑ですが芽吹く気配もなく・・・。

枝は縦スジが多くなってきて、枯れてきているようです。

パキプス発根管理15日目

発根管理開始から2週間が経過しましたが、まったく変化が見られないのでリセットします。

まず、用土から抜いてみると、当然の如く根は出ておらず、表面は黒く変色していました。

とりあえず少し切ってみることに。

腐りは見られないので主根的にはまだいけそう??

もう少し切り詰めてみます。

主根の状態は悪くなさそう。

ただ、株が少し萎んできているような印象があります。

うまく水を吸えていないんでしょう。

主根をだいぶ短くしてしまったので、これ以上のリセットは胴切りになりますね。

リセット後、水耕管理にシフト

リセットしましたのでもう一度オキシベロン漬けからやり直しました。

今回はだいたい8時間ほど漬け込みました。

水にも沈むのでまだ生きてると思うんだけど・・・

上写真のように遮光した容器にぬるま湯を入れて水耕管理にシフトしました。

エアレーション、レンズヒーター、温度計も搭載して温度管理は完璧です。

水温の狙いは35℃前後、水換えは1日1回です。

リセットから1週間後

リセットから水耕管理にシフトしていましたが、その後、待てど暮らせど変化が見られず・・・。

それでも水換えは続けてきて1週間が経過しました。

表皮に緑色の部分はありますが、黒ずんできました。(どうも腐りのようです)

枝は全て枯れています。

株も全体的に1まわりほど萎んでしまい、正直これ以上の管理は厳しいと判断しました。

残念ながら今回の発根管理はここまでです。

今回のパキプス発根管理まとめ

残念ながら発根せず、芽吹きも確認できず終わってしまいました。

株の変化が少なかったので状況判断が難しかったです。

今回、パキプスの発根管理をしてみて、素人なりのまとめです。

  1. 到着した時の冷えがまずかったのではないか?
  2. 小さい株は元々の体力が少ないから難易度高
  3. 到着時にはすでに★になっていた可能性も
  4. 主根だけの判断はダメ
  5. 土耕管理は主根の状態が確認できず、判断が遅れる

まだまだ母数が少なすぎるのでなんとも多くを語れない状況ですが、やっぱりパキプスは一筋縄ではいかなそうです。

主がいなくなって空になった温室が寂しい

パキプスのために温室を作って、パネルヒーターや温度計も揃えたので、主がいなくなって寂しくなりました。

手元に残ったのは道具のみ。これはまたやるしかない!

\まったく懲りてない/

それでは皆さん素敵なBOTANILIFEを!

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