今回は、「ケラリア・ピグマエアの環境影響による葉性変化」について綴ります。
なんだか難しい言い方をしていますが要するに、
同じ葉性を持った株を”屋外太陽管理”と”室内LED管理”で分けたとき、葉性に変化が見られたかどうか?という検証実験になります。
検証実験に使用したケラリア・ピグマエアの紹介
使用したのは現地球ピグマエアと、その枝から挿し木した株になります。
つまり、母体は一緒、遺伝子も一緒、当然ながら葉性も一緒!
検証実験にはうってつけの株を用意しました。
これらの株をそれぞれ外と室内LEDにわけて管理していきます。
グループ分けは、現地球母体は室内LED管理、挿し木は外管理としました。
(挿し木は焼いても何してもいいけど現地球はなるべく低リスクで管理したいと思ったので…)
検証実験期間
実験期間は4月~11月で半年以上になります。
冬型なのに夏場に実験台にされる株たち…
まぁ実際のところ、ケラリア・ピグマエアは冬型塊根植物と言いつつ真冬の外管理だと普通に死にます。
一方で、夏場の外管理は葉が焼けることがあっても株自体は死なない印象なので夏を挟んだ検証期間にしたってのも理由としてあります。※あくまでも私の管理環境下の話です
【結果】外管理と室内LED管理で分けたケラリア・ピグマエアの葉性の違い
それでは結果発表です。
左が外管理をしていた挿し木、右がLED管理の現地球です。
葉の色見と葉のプリプリ度が違うのが見てわかるかと思います。
近くに寄ってみました。
明らかに外管理していたピグマエアのほうがいい感じの葉の具合ですよね。
育成環境によって葉性はコントロールできる
ご覧の通り、遺伝子レベルで葉性が同じ株でも環境次第で葉性を変えることができることがわかりました。
ペラペラな葉の個体でも強光が当たる環境で管理することで(ある程度は)ぷっくりとした丸葉にすることができるというわけです。
潜在的にプリプリ葉になる遺伝子を持ち合わせていたとも言えるかもしれませんが、こればっかりはなんとも言えません。
ガッツリ外管理してもペラペラ葉のままだよ〜っていうピグマエアがあればぜひ教えて下さい!
室内LED管理だと葉がペラペラになるということではない
一応フォローを入れておきますが「LED管理=葉がペラペラになる」ということではありませんのでその点は勘違いしないでいただきたいと思います。
今回、室内LED管理をした株はLED照射の中でもかなり弱い位置にいました。LEDがよく当たる位置にいれば結果も多少異なったかもしれません。
太陽が最強なのは間違いありませんが、LEDの性能も年々良くなっていますし、天候や気温に左右されない安定的な管理をするのであれば室内LEDが最強です。
粒のような丸葉にするには個体選別も必要
これ以上は好みの問題なので読まなくても結構ですが、
私がケラリア・ピグマエアに求める最終的な姿というのが「小さい粒のような丸葉」なんですよね。
そのレベルを求めるとなるとどうも環境コントロールだけでは難しそうです。
厚みのあるぷっくりとした葉を作ることはできます(できました)が、葉のサイズをコントロールすることができないんですよね。どうしても細長くなっちゃう印象です。
なので、「小さい粒のような丸葉」を付ける個体が欲しければ、現地球にしても実生株にしても葉性を見たうえで選ぶしかなさそうです。
実生株の場合、はじめは平べったい長めの葉が出てきて株が熟成するにつれて葉が小さくなる傾向ですのでこの時点で選別するのは難しいですが、現地球であればベアルート以外であれば葉がついているはずですので選別はできるかと思います。
まぁピグマエアは樹形も魅力的だったりするのでそれはそれで難しいと思いますが…
それこそあとは好みの問題ですね。
実生株のように、株の熟成が進むにつれて葉性が変化する場合もありますが、粒葉葉性の株ってはじめからそれなりに粒葉なんですよね。
下の写真の株は実生3年目の株です。小さい粒のような丸葉で私の中の理想個体です。
今回検証実験に使った現地球ピグマエアなんて幹幅8㎝程ある熟成株ですがペラペラの葉ですからね、やっぱり個体差は大きいかと思います。
「ケラリア・ピグマエアの環境影響による葉性変化について」まとめ
- 管理環境次第である程度は葉性をコントロールすることが可能
- ぷっくり丸葉にするなら強光を!
- 小さめつぶつぶ丸葉にするには環境だけでは難しく、株のポテンシャルも重要